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自分自身で臓器も組織も作れちゃう時代になる!?

3月21日~23日の再生医療学会に向けて準備を始めました。

初めての学会ということで、1つのテーマで各先生方がどれくらいの持ち時間があるかなど、プログラムから読み取れないところもあり、まだ要領をつかめていません。まず初日に聴講予定のテーマから準備を始めることにしました。それが非常に面白く、これからの医療に対する期待がますます膨らむものでしたので、ご紹介したいと思います。

初日午前に聴講予定なのは、「生体内組織形成術(IBTA)の最前線2018」です。

生体防御反応を利用した再生医療技術

私たちの身体には、異物が侵入したときに兵隊として戦う心強い免疫機能がありますよね。これの一つとして、皮下組織に異物が侵入すると、周囲の繊維芽細胞というコラーゲン繊維をつくる細胞が、異物を取り囲み、異物の周りにコラーゲンをくっつけていく反応があります。これも免疫反応の1つで、生体が異物を細胞からしっかりと隔離するために重要な反応です。これを「カプセル化」現象といいますが、例えば、カテーテルやペースメーカーなど、一時的または長期にわたり埋め込んだ医療機器を取り出すと、それらの周囲にも必ずこの「カプセル形成」が認められるようです。

カプセル化現象のイメージ 赤いところがコラーゲン膜

医師や研究者にとってごく当たり前のこのカプセル化現象を利用して、「自分で組織を作ってしまおう!」というのが生体内組織形成術(IBTA)です。

再生医療のオーダーメイド化が実現!?

作り方は簡単なようで、作りたい形状の鋳型を皮下に1~2か月埋め込むだけ。3Dプリンターで個人に合わせた型を設計することもできます。この鋳型を1~2か月皮下に埋め込んでできる組織は、自分のコラーゲンでできた、異物を含まない組織です。これを利用して、人工血管(バイオチューブ)、心臓弁様組織体(バイオバルブ)、バイオシートなどが作製され、動物実験が行われているようです。

しかもすごい!と感動したのが、カプセル化でできた組織体を取り出すのは簡単なのです。考えてみればごもっともなのですが、カプセル化現象とは、異物から生体を守るためのもの。異物を隔離するためのもの。つまり、異物とカプセル化でできた組織体の表面は、「つながる必要がないので」ほとんど接着しておらず、すぐに取り出せる状態なのです。

体内に埋め込んだ鋳型がどのように被膜されていくかはカプセル内視鏡を内蔵して観察されたようです。

さらにすごいのが、使用する鋳型にどのような高分子を使用するかによって、強度などを作り分けることができるようです。太い血管から末梢血管まで作れるとか。特にニーズの高い小児用心臓弁の開発が待望されているようです。

この生体内組織形成術(IBTA)に関する研究動向の発表が、21日午前、中山 泰秀先生が座長を務められるシンポジウムであります。最近、特許翻訳の対訳勉強の素材として人工心臓弁をやっていたため、このテーマに興味を持ったのですが、これだけでもしばらくの間興奮が続きそうな面白いテーマです。

今の段階で学会に参加するなんて、まだ早すぎたかも・・・他にやるべきことがあるのでは、と少し悩んでいましたが、悩みが吹き飛びました(笑)3日間の学会を思い切り楽しめるように、しっかり準備して参加したいと思います。

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