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蒸気圧曲線からわかること、物質毎に蒸気圧が異なる理由

ビデオ160まで見たところで、蒸気圧と特許のマインドマップを作成しました。

特許明細書の中に登場する「蒸気圧」を見た時、それが意味する大まかなイメージがまだできていないことに気づき、蒸気圧について少し考察してみました。

目的は、「蒸気圧」という言葉が明細書に登場したとき、それが包含するものを広くイメージできるようにするためです。これ以降の単元で登場することかもしれませんが、現時点で調べたことをまとめてみます。

蒸気圧曲線から読み取れること

まず、蒸気圧とは、密閉容器内で、ある物質の気体と液体が共存し、見かけ上の変化がない時の気体の圧力のこと。これではイメージしづらいため、気体が液体表面から飛び出そうとするときに、空気を押しのけようとする力、と考えました。蒸気圧が大きいということは、空気を押しのけて液体表面から飛び出す力が大きいことになるので、蒸気圧が大きいほど揮発しやすい、ということがイメージしやすくなりました(蒸気圧は揮発しやすさの指標)。

温度を高くすると、液体表面から飛び出す力が大きくなるため、温度が上がると蒸気圧が高くなりますね。

次に気になったのが、以下の蒸気圧曲線で、P1、P2の時の密閉系はどうなっているの?ということ。

そもそも、物質は平衡状態を目指して変化していくため、密閉系に液体がある場合、蒸気圧に達するまで蒸発を続けます。
ここで容器内の物質がすべて気体と仮定した場合、

P2<PA(蒸気圧)の時
液体が足りず、蒸気圧に達する前にすべて気体になってしまった状態。気体のみ存在する状態。気液平衡に達していない状態ですね。

P1>PA(蒸気圧)の時
この時どうなるのかとても気になったのですが、密閉系では圧力が蒸気圧より大きくなることはあり得ない(蒸気圧はある温度で一定になる)ため、この場合の理論値P1の本当の圧力はPA(蒸気圧)となるとのこと。したがって気液平衡状態にあり、液体が存在していることになります。

次に、気になったのが物質毎に蒸気圧が異なる理由です。

物質毎に蒸気圧が異なる理由

以下のグラフでは、ジエチルエーテル>エタノールとなっていますね。
一般に、分子間力が大きい物質程、蒸気圧は小さくなるようです。これは分子が強く引き合うため、蒸発しにくくなり、蒸気圧が小さくなる、ということですね(蒸気圧が大きいほど蒸発しやすい)。

ジエチルエーテルの分子量は74、エタノールは46。すると、ジエチルエーテルの方が分子間力が大きそうで、蒸発しにくいように思えますが、実際はエタノールの方が蒸気圧が小さくなっていますね(蒸発しにくい)。これは、エタノールの場合、エタノール分子間で水素結合するため、その結びつきが分子量による影響を上回り、結果、分子が互いに引き合う力がエタノール>ジエチルエーテルとなるからではないかと思います。水も同様の理由のようです。

このあたりが面白かったので、さらに調べてみたところ、同じ炭素数でも、側鎖、二重結合、芳香族、炭素数によって蒸気圧が様々な特徴を持っているようです。

②同じ種類の炭化水素では、炭素数が少ないほど蒸気圧は大きい(メタン>プロパン)


③同じ炭素数の直鎖の炭化水素では、二重結合があると蒸気圧は大きい(エチレン>エタン)


④同じ炭素数では、側鎖のある炭化水素の方が蒸気圧は大きい(イソブタン>ブタン)


⑤同じ炭素数では、芳香族炭化水素の方が蒸気圧は小さい(ヘキサン>ベンゼン)

②は、分子量が大きいものほど分子間力が強くなるため、分子が強く引き合い蒸発しにくくなる(蒸気圧が小さくなる)からだと思われます。
③は、二重結合は反応性に富むため、蒸発しやすい(蒸気圧が大きくなる)のかな、と思いました。④⑤の理由は保留です。

まだまだ浅堀りですが、時間の関係でここまで。いい加減次のビデオに進みます。

「なんで?」と考えるのが楽しくなってきました。これが一番の変化でしょうか。

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