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血液を利用して体内発電する人工心臓 

明細書の要約1行目を見て、
思わず「え、すごい!」と叫んでしまった特許があります。

「安静時の血流を利用して発電を行うことができる・・・・」(要約1行目)

タイトルの通り、
血流のパワーを利用して
磁石を回転させ、
発電する人工心臓です。

人工心臓へ電力を供給する2つの方法

ペースメーカよりも大きな電力を必要とする心臓。
特に、急性疾患では、
慢性疾患の患者よりも、心臓組織の損傷が少ないため、
人工心臓のような補助デバイスを利用できれば、
QOLの改善を期待できます。

人工心臓へ給電する方法として、
1つは、ケーブルを皮膚に貫通させて電力を供給する方法。
この方法は、ケーブルを介して感染してしまうリスクを伴います。

もう1つは、
電磁誘導によって体外から体内へ
非接触で電力を供給する方法。
スマートフォンのワイヤレス充電や、ICカードでも応用されている非接触による給電です。

電磁誘導とは、
磁界が変化することで電流が流れる現象ですね。

この磁界の変化に着目したのがこの特許のポイントでした。

血流による体内発電

磁界が変化すると、誘導電流が流れます。
それでは、体内でどのように磁界を変化させればいいでしょうか?

体内にあり、24時間常に動いているもの・・・・
血液ですよね。

この発明では、安静時の血液の流れをエネルギー源とし、
磁石を回転させていました。

安静時、血液が磁石のある装置に流入すると、
磁石が受動的に回転します。
磁石が回転すると、コイル内の磁界が変化するので、
誘導電流が流れます。
明細書には明記されていませんが、この原理だと考えています。

この電力を体内の貯蔵装置に蓄え、
心不全の発現時、ペースメーカー、除細動器などの電力として
使うことができるようです。

物理の基本的な法則を利用してこんなことができるんですね。

生体反応を利用した化学的な発電方法

生体反応を利用して発電する仕組みとして、
以前、ボルタ電池の生体内利用に関する記事を書きました。

これは化学の法則を利用したものでした。

どちらも化学、物理の素朴な概念を発明に生かしているのですよね。
また、過去の歴史の上に現在のテクノロジーがあることを改めて感じました。
こういう発明を知ると、感動して記事にせずにいられません。

↓今回紹介した特許の図面。
特開2010-162254
発明の名称:遠心型・軸流型補助人工心臓を用いた体内発電装置

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