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ハロゲンに関連する様々な疑問にお答えします ーHFが弱酸の理由、分子量と沸点の関係などー

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ハロゲン化水素についてまとめているときに、

「なぜ?」に即答できないことがたくさんありました。

そこで、今回は時間を区切って、自問自答を記事にしました。

 

17族の電気陰性度が高いのはなぜ?

まず、電気陰性度とは原子が電子を引き付ける強さの度合いのことですね。
電気陰性度が高いということは、電子を引き付ける力が強いということ。

出典:http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9948/element6.html

ここで、17族のClの電子配置を見てみると、
最外殻にあと1つ電子が追加されると、18族と同じ電子配置となり、安定化します。
17族は電子をもらって安定したいのです。

そこで、電子を強く引き付けます。
17族の電気陰性度が高いのはこのためです。

分子量が大きいと沸点が高いのはなぜ?

沸点が高いということは、分子と分子の結びつきが強いということ。
分子と分子の結びつきの力を分子間力といいます。

上の質問は、
分子量が大きいと、分子間力が大きくなる理由を考えることで理解できます。

電子は原子核のまわりを常に動き回っています。
全体では原子は中性ですが、電子は常に動き、
部分的にプラスの場所とマイナスの場所が発生しています(分極といいます)。

ここで、原子半径が大きなAと、半径が小さいBを比べてみます。

瞬間的な分極により、一方の原子の表面が+になると、もう一方の原子の表面は-になります。
このとき、+と-が引き合い、原子と原子の間に引力が発生します。
この力はファンデルワールス力の1つです。

この時のファンデルワールス力は、
A>Bとなります。

これは、周期表で周期が大きくなるほど、原子半径が大きく、電子の数が増えるからです。
電子の数=陽子の数=原子番号

つまり、下の周期にいくほど、瞬間的な分極に関与する電子の数が増えるため、
原子と原子が引き合う力は強くなります。
分子量が大きくなるほど沸点が高くなるのはこのためです。

なぜ、HFは分子量が小さいのに沸点が高いの?

上記の理屈で考えると、HFはHCL、HBr、HIより沸点は低くなるはず。
なぜ、HFだけ高いのでしょうか?

これは、HFは分子間で水素結合を形成するためです。

以下のように、水素結合は先ほどのファンデルワールス力の100倍の力を持っています。

結合の強さに関与する影響力が、水素結合はファンデルワールス力の100倍ということです。

HCL、HBr、HIは分子間で水素結合を形成しませんが、
HFは分子間で水素結合を形成します。

HFは分子量が小さいにもかかわらず沸点が際立って高いのは、水素結合を形成するからです。

HFが弱酸なのはなぜ?

弱酸の理由の前に、ややこしい酸化について整理してみます。

まず酸化から。

電気陰性度が高いということは、電子を引き付ける力が強いことです。

つまり、相手から電子を奪う力が強くなります。
ということは、相手を酸化させる力(酸化力)が強くなりますね。

周期表を見ると、電気陰性度は右上に行くほど高くなります。

ハロゲンの中では、Fの酸化力が最も強いことがわかります。

次に酸の強さについて。

ハロゲン化水素の酸の強さはどうでしょうか?
HF<HCl<HBr<HIとなります。

ここで、酸の定義を振り返ってみます。
酸とは、プロトンH+を電離する物質、または、電子対を相手から受け取る物質です。

HFが弱酸であるということは、
プロトンを電離しにくいためと考えられます。
ということは、
HX⇔H+ + X-
の反応が右に進みにくいということ。

電気陰性度から見ると、Fは陰イオンになりやすい性質を持ちます。
すると、上の反応は右に進みやすいのでは?と思ってしまいますよね。

しかし、事実は弱酸。
これは、電離して、陰イオンとして存在するよりも、HFのままでいた方が安定ということです。

これはなぜでしょうか?

3つ理由が考えられます。

1つは、Fの原子半径が小さいこと。

原子半径が小さいため、電子がいろいろな場所を動き回りづらく、狭い場所に局在化します。
すると、プロトンがこれにつかまり、離れにくくなります。
一方、原子半径が大きいIの場合、電子がより自由に動けるため、プロトンが隙を見て離れやすくなります。

これを誇張して図にしてみました。


Fは束縛力が強く、Iは束縛力が弱い、ということですね。

2つ目の理由は、HFが水分子やHFと水素結合を形成すること。

H-FのFが、他のH-FのHと水素結合を形成するため、よりプロトンを離しづらくなるのです。
H-Fは水分子のHとも水素結合を形成します。
このため、電離するよりも、HFのままでいた方が安定化します。

3つ目は、ハロゲン化水素の中で、H-F間の結合距離が最も短く、結合エネルギーが最も大きいため。

出典:http://www.kshitij-iitjee.com/Bonding-in-Hydrogen-Halides/

そのため、H-Fの共有結合を断ち切るには、他のハロゲン化水素よりも大きなエネルギーが必要となり、結合を外しにくいのです。

 

時間を区切って(それでも1時間半かかりました)書いたため、とんでもない勘違いが潜んでいたらゴメンナサイ。(あとでこっそり修正します)。

自分の言葉でまとめる、早く一気に書く、を意識しました。

特許翻訳をしていく上で、酸、酸化、還元などの概念は瞬殺しなければなりませんね。
「HF」の文字を見た時に、上記に書いたことが1秒以内にフラッシュする、それが最低限レベル、なのですよね。

まだ最低限レベルにも達していません。まだまだです。

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